まさとくんの かざぐるま
- 公開日
- 2014/05/14
- 更新日
- 2014/05/14
1年生
学校の正門から1年棟へ向かう途中にある「まさとくんのかざぐるま」について紹介します。
20年以上前のことを思い、二度と同じことを繰り返さないようにこの風車が学校に建てられました。
数年前に、ある方から1年生に宛ててお手紙をいただきました。お手紙の概略は、以下のようです。
今から20年前のことをお話ししたいと思います。
私は、小学校に入学しました。クラスのお友達の中にマサト君というたいへん元気な男の子がいました。
ある日、マサト君は、わたり棒から落ちてしまいました。マサト君は腕を折ってしまったのです。包帯をぐるぐるまき、白い布で首から腕をつっている姿はかわいそうに思いました。そして、「本当にマサト君はわんぱくだなぁ。」と思ったのです。
入学して1か月が過ぎ、家庭訪問の時期がきました。
家庭訪問期間のある日、マサト君はお友達と少し遅くまで学校で遊んで帰りました。帰りも友達と仲良く楽しく。帰り道には、たくさん田んぼがあり、川が流れていました。五月は田植えの時期ですので、たくさんの水が流れていました。その川幅は30センチのコンクリートでできた細い川です。その底には、緑の藻がたくさんあり、つるつる滑ります。流れは大変急です。石を投げいれても流されてしまうほどです。その日はきっと暑かったのでしょう。マサト君達はかばんをほうり投げ、川の中に入って遊ぶことにしたのです。水の流れが急だなんて、そんなことはへっちゃら。むしろ、その方がおもしろいや、なんて思ったんじゃないかしら。私も実はそう思いながら遊んだことがありますから。
マサト君達は、冷急な流れに押されて、すぐ近くの小さい橋の中に入ってしまったのです。もし、腕に怪我をしていなければ転んだ時に起きあがれたかもしれません。でも、首からつっている腕がじゃまして、出ることができません。友達はびっくりして、すぐに学校へ先生を呼びに行きました。多くの人達がマサト君を助けようと集まってきました。でも、なかなかマサト君は出ることができず、そのまま死んでしまったのです。
その日から、マサト君は私達が大人になっても、小学生のままなのです。
今、学校の職員玄関の近くに、風車をつけた緑色の黒板がありますね。その黒板は、マサト君のお父さんとお母さんがもうこのような悲しい事故がないようにと、学校においてくれたものなのです。
遊びに夢中になると、危険なことがすぐ近くにあるのもわからなくなってしまいます。鉄棒で遊ぶとき、ちゃんと握らないと落ちてしまいます。だから、いつも安全にということを頭の中に入れて考えてほしいなぁと思います。交通安全と同じように、遊び安全を探してください。
あの黒板は、ただ置いてあるのではなく、マサト君という元気な男の子に悲しい死により、もうそのようなことがないように皆さんに呼び掛けるためにあるのです。
「まさとくんのかざぐるま」に込められた思いを大切にし、“遊び安全”をさがしていけるよう、子ども達にも伝えていきたいと思います。