先生方の研究授業
- 公開日
- 2020/12/03
- 更新日
- 2020/12/03
学校の様子
<Kの学校日記 vol.30>
12月3日(木) 濃霧からの快晴 <第2稿>
“教育”とは、何でしょうか。
岩波国語辞典では、
『教えて知能をつけさせること。
人の心身両面にわたって、またある技能について、その才能を伸ばすために教えること。』
とあります。
先生たちは、この“教育”のプロフェッショナルです。
そのプロ達が、お互いの授業を見合って、より良い授業のあり方を考えるのが“研究授業”です。
今年度の研究授業は、“体育”です。
今まさに、その取り組みの真っ最中とのことで、1年生の体育の授業を見学しに行ってきました。
体育館に近づくにつれ、子どもたちの大きな歓声が聞こえてきます。
やっていたのは、段ボールを何個も積み上げて作った壁にボールを投げて、その壁を崩すというゲームでした。
大きく立ちはだかっていた段ボールの壁が崩れるごとに、歓声が上がります。
とにかく楽しそうな子どもたち!
次々とボールを投げ、体いっぱいを使って喜びや悔しさ、お友だちを応援する気持ちを表しています。
この授業の目的は何だろうと考えてみます。
ボールを投げる時や的に当てる時の体の使い方、どの部分を狙えば効果的なのかを考える力、友人たちと協力して目的を達成する力…
私はそんな予想をしたわけですが、この後参加していた先生方のお話を聞くと、それをはるかに超えるものでした。
この授業で、果たすべきことは2つあるようでした。
・“楽しい!”を経験してもらうこと。
⇒楽しいにも色々あり、的に当たること、純粋に体を使う事、上手くなっていくこと、仲間との関りなどなど…
この“楽しい!”と思う気持ちが、学びへの第一歩になってくるのかなと思いました。
・技術的にできるようになることを保証すること
⇒楽しいだけではなく、しっかりと“出来るようになる”こと。ここを保証してあげることで、次の学びや自信にも繋がるのかなと思います。
この2つを両立するために、ゲーム前の練習や、ゲーム後の振り返りをどのようにするのか、どのように授業を進めていくのか、十分に工夫の余地があり、先生たちの腕の見せ所です。
ボールを強く投げる、的に当てるという体の使い方を習得するために、“言語化”するというのも大切な要素のようでした。
また、大きな壁を前にして、どこを狙うのか。下を狙えば多く倒れるけれど強い力が必要。上を狙えば小さな力でも倒れるが、丁寧に狙う動きが必要。強く投げること、丁寧に投げることは動きが相反するため、そのあたりも面白いところです。
45分の授業の中で、これほど多くの(といってもとても網羅できておらず、実際はもっと多く深いものです)事を考え、取り組んでいる先生方は本当にすごいです。
『すごい』というボキャブラリーしか自分にないことが悲しいのですが。
また、それぞれの先生によって色々な考えややり方がある中で、横のつながりを持ちながら、よりよいものにしていこうという取り組みも、とても大切なことだと思います。
先生方の業務は多岐にわたり、業務量もとても多いです。
その中で、子供たちに対する“教育”をより良いものにしていこうと日々努力している先生方、本当にありがとうございます。
毎日お疲れ様です。ビールとか差し入れしたいくらいです。できれば一緒に飲みたいけど。
さて、次の授業では、この大きな段ボールの壁を、分けて離して設置してみるそうです。
1枚の壁の面積が狭くなり、複数になった時、子供たちはどんな動きを見せるのか、先生方はどのように授業を進めていくのか。
これまた楽しみです。