学校日記

三学期始業式

公開日
2017/01/06
更新日
2017/01/06

校長室から

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    「自由に生きる」
 今朝、生徒昇降口で生徒会新役員があいさつの声がけをしていました。いよいよ私たちの番だ。がんばるぞ。という思いが伝わってきました。3学期のスタート、2017年のスタート、皆さんはどのような決意を持ちましたか。その思いを是非、行動に表してください。思いは、行動に表すと相手に伝わります。自分への自信を高めることにつながります。
 私は、今年60歳になります。父親の年齢を超えます。父を亡くして今年で29年目になりますが、亡くなる前、父は一人の女性を私に紹介してくれました。渡辺和子さんという方です。当時彼女は、ノートルダム清心女子大学の学長でした。彼女の生き方や考え方を学ぶといいよと父は私に紹介してくれたのです。そんな渡辺和子さんが12月30日に亡くなられました。89歳、膵臓がんでした。父と同じ病気です。深い縁を感じます。直接、渡辺和子さんにお会いしたことはありませんが、彼女の考えを書物を通して学んできました。今日は、その中のひとつ「自由」について皆さんに話をします。
 彼女は「人間の自由は、諸条件からの自由ではなく、それら諸条件に対して、自分のあり方を決める自由である」と語っています。第2次世界大戦中にドイツのヒットラーは、ユダヤ人を迫害し、強制収容所に送りました。ある日、強制労働の中で一人の病人が出ました。翌朝、彼の枕元には数個のパンとスープが置かれていました。病人の回復のために自分は空腹のまま、仕事に出て行ったのです。「自分が生きるための力」となる食料を「よりよく生きるための力」として生かす道を選択した人がいました。私たちがめざす自由に生きる人、自由を大切にする人とは、諸条件からの自由のみを求める人ではなく、自分が置かれた条件に、自分らしく立ち向かい、よりよく生きることに努める人だと思います。
 さあ、自分に当てはめてみましょう。三年生ならば、受験への立ち向かい方を選択する自由でしょう。二年生は、学校のリーダーとなるあり方を選択する自由でしょう。一年生は、先輩となるあり方を選択する自由でしょう。どんな立ち向かい方を選択しても自由です。今の自分が考えることができる選択肢を総動員して、その中から自分が納得できる生き方を選択してください。最後にもう一度確認します。諸条件からの自由ではありません。受験や学校のリーダー、先輩となるという条件からの自由ではなく、その条件を受け入れ、その条件にどのように立ち向かっていくかを選択する自由です。さあ皆さん、どんな選択をしますか。先ほど発表してくれた三人のようにもう決めている人もいるでしょう。まだ決めていない人は、今日中に決めてほしいと思います。今日は、三学期の始業にあたって「自由に生きる」ということについて話をさせていただきました。
 短い学期ですが、次のステージにつながる大切な学期です。みんなで頑張っていきましょう。