11月6日 ムーア・美紀さん「地域活性化と連携した国際協力」/JICA国際協力出前授業講座
- 公開日
- 2024/11/07
- 更新日
- 2024/11/07
お知らせ
JICA(国際協力機構)長野デスクのムーア・美紀さんから、タイのスコータイでの活動を中心にお話を頂きました。
・タイってどんな国?
・JICAでどんなことをしていた? 現地のニーズとは?
・スコータイでの体験プログラムの開発。
これらのお話の後の質問と、その返答も面白かったので紹介します。
Q 日本の当たり前は世界の当たり前ではないって、例えば?
A 授業開始が1時半だったらみんな何時に集まる?日本では5分前集合などが当たり前。でもタイでは1時間半過ぎても始まらなかったり、遅刻の連絡もなかったり、理由を聞くと「雨だから」だったり。雨だと道がぬかるんで危ないから、危ないことまでして仕事をしないらしい。だから予定を立ててもうまく進まないことが多いんです。
Q ボランティアのやりがいは?どうやって楽しみを見いだしましたか?
A ゼロから商品開発をしたのは楽しかったですね。
「最初、現地の織物職人が話を聞いてくれなかった」→「観光客や魅力を伝えたけどわかってくれなかった」→「職人2人が理解してくれてプロジェクトをやってくれた」
Q 慣れない言語で伝わらないときどう対応しましたか?
A 派遣前に訓練所に行くんです。そこでひらがなみたいな文字と挨拶程度は学んでいきました。現地では、常に携帯や辞書を持ち歩いて、小さいメモ帳に書いてもらってコミュニケーションをとって言語を習得していきました。
Q タイで大変だったことは?
A 暑さですね。長野県民は寒さに強くて暑さには弱いですよね。タイは基本暑いです。タイの気候はというと、「あつい」「とても暑い」「すごく暑い」の3種類です。外は40度で、部屋はクーラーを入れて20度くらい、その違いに参ってしまいます。
Q 「外国人として」タイで大変だったことは?
A 「日本人だから理解できないよね」「タイの常識を知らないからしかたないよね」「日本人はよくこういうこと言うよね」ということを言われることです。日本人としてくくられてしまう。
私がタイの人に「これができていない。もっとこうしたら」などと言うと、怒っていると思われてしまうんです。タイの人は「怒らずに」「円滑に」ということが大事にされています。
日本人として見られて、私個人を見てくれない。これは、逆に私が日本に住んでいて、今いる外国人に言われるのと表裏一体だと思うんです。
Q 「日本人だから理解できないよね」などと言われた時、どんな気持ちでどう切り替えていったんですか?
A 最初はショックで話せなかったです。少しずつ話して、話せるようになって、相手の考えがわかるようになってきたんです。価値観もわかるようになってきたんです。だから、「日本人だからこう思う」ではなく、「日本で生活してきた私はこう思う」と伝えるようにしていきました。